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「相変わらず、疑り深いね」
「悪いけど、恭介あんたの存在自体が胡散臭いのよ」
「わぁ……ばっさり」
「神威の御令息は皆、この華南学園に一時は席を置くと聞くわ。あのときの同い年とは思えないくらいにウィットに富んだ古典の講義……今考えればあの年でも既に大学院を出ていてもおかしくない家系よね?」
「保健室の先生にしておくのがもったいないくらいの考察力だね。今からでも遅くない。俺の秘書にならない?」
「真っ平ごめんよ」
「これでももてるはずなのにつれなーい」
「……馬鹿馬鹿しい……」
額に手をやる。
頭痛がしてきた。
美佳に誘われて試験を受けた。
私は保健室の先生として。
美佳は国語の先生として。
その選出に恭介はまず間違いなく関与している。
一体何がしたいわけ?
不信を露に恭介を見つめるとさすがに居心地悪そうに苦笑いを浮かべていた。
「俺友達少ないからさあ、透子みたいな奴、貴重なんだわ」
「まともな友達が欲しいならまずそのふざけた性格直しなさいよ」
「え〰三つ子の魂百までだよ?無理無理もう歪みきってるから」
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