そして私は途方に暮れる

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「私ならグーで殴るわ」 「……暴力反対」 「誘発させない言動を心掛けていただけますか?」 「……善処します」 「はぁ……」 何処の政治家のものまねよ? カルシウム足りないのかしら、イライラする。 「だから夜飲みに……」 「行きません」 「……美佳食べちゃおっかなあ?」 「合意の上なら何も言わないわ」 「つまんなーい」 「あんたの暇潰しに付き合う暇はない」 「そうでもないと思うよ?」 「引き継ぎも聞かなきゃいけないし」 「ここには顧問医がいるから」 「どんなタイプの子が利用しているのかも把握しておかなくっちゃ」 「だからね、透子。何かあったら、螢院病院に皆運ばれちゃうから、暇だと思うよ?」 「は?……顧問医?」 「……しっかり者の透子もツメが甘かったね」 にっこり、笑う恭介。 「仕事はなくても給料はちゃんと出るから心配しないでね?そこら辺のことは出し惜しみしない家系だから」 意味がわかんない…… 「ちょ……待って?あんたもしかして、必要ないのがわかっていながら採用枠を作って私を誘い込んだわけ!?」 「うん」
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