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「……ってわけ」
「恭介らしいけどムカツク」
「でっしょー!?」
一連の出来事を美佳にぶちまけ、透子はビールを喉を鳴らして飲み干す。
「少しは反省すればいいんだわ……私たちの人生なんだと思ってるんだか」
美佳は枝豆を頬張りながら怒りを露にする。
「縁故採用なんか今どき流行らないっての」
「そう!こんなことなら……大阪の学校を選べば良かった……」
「せっかく同じ職場だし、遊べると思ったのに……」
「美佳……あいつが神威の御曹司って知ってた?」
「……知ってた。けどまさか恭介が学園の経営をあのすちゃらかぽんが任されるなんてありえない話だったから選んだのよ?詐欺よ詐欺」
「でも……嫌いになって別れたわけじゃないでしょ?」
焼き鳥を頬張りながら透子は矛先を向けると美佳は心外だと言わんばかりに怒る。
「ちょっと……私まで疑うわけ?恭介とはもう終わったの!」
「……ごめん」
「驚いたのは私も同じよ……ただ透子と違って即座に辞表は叩き付けられなかったけど」
アッパーパンチはお見舞いしてやったけどね、と忌々しそうに言う美佳はやはり類友だった。
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