第一章 目覚め

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景色が山道から都会の町並みに変わり、やがて母屋(と言うより事務所)に着くと窓際の社長席っぽい所に桜樺が座るとすぐさま犬飼は紅茶を出した。 『しかし、よく此所まで溜まったもんじゃ、肘を着く隙間もあらんのぅ。』 そう言いながら桜樺は机の上の書類をチラリと覗き見ると上品に紅茶を飲み始めた。 普段一年仕事をし一年眠る桜樺はその間に、犬飼と猫の二人に簡単な仕事を消化してもらい(大掛かりなものは桜樺専門)、そのお金で小さな事務所を切り盛りしながら活動している。 その机の隣りに大きなテレビがあり、此所に猫が持って来たアニメやゲーム機等が置いている。アニメを桜樺が見ながら 『セバスチャンおかわりじゃ!』 と紅茶の催促をすると 「今日はお目覚めになられたばかりなので容赦しますが明日からはキッチリ働いてもらいますよ、そもそも…」 と犬飼がツッコミも入れずに長々と説教をしていると 『見よ!この者おぬしに似ておる、特にこのBLっぽい所がたまらぬな!早く同人誌が出ぬか楽しみであるわ』 とギリギリアウトな言葉を口にしながら興奮していると 『いだっっ!』 と犬飼に小突かれ 「お嬢様はもう少し自重するべきです、この様な低俗な物を見てはなりませぬ」
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