第一章 目覚め

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『まず常夜化(とこよか)とは、その地域に妖怪、魑魅魍魎どもが発生しやすくなる事じゃ、通常は丑三つ時や逢魔ヶ刻など時間帯によって発生しやすくなり、ほぼそのまま消失するが、それが安定してしまう事じゃ』 桜樺がそう言うと 「それでは、妖怪発生し放題ですね」 犬飼がそう言うと 『おぬしは馬鹿か?我ら妖怪は有る程度の明確な力の根源が無ければ発生できんといったじゃろう!つまりエネルギーが有る限りは発生するが、無くなれば止まるんじゃ!』 犬飼は叱られた子犬の様に小さくなった 『次に妖魔化(ようまか)じゃ、簡単にいうと常夜化の拡大した物じゃがココまで進むと勝手に拡大し、まさに地獄絵図じゃ』 「魔界化みたいな物でしょうか?」 恐る恐る犬飼が聞くと 『そう捉えても構わん、実際最終的にはそうなるからのう』 桜樺は語り疲れ、ゲンナリした様子で烏丸に向かい 『して、その事件を余とセバスチャンでどうしろと言うのじゃ?』 烏丸はニヤリと笑い、勿体ぶりながら 「警察は既に東北のパワースポットに警戒をおいています、しかし妖怪相手に何の意味も無い事は桜樺さんもお分かりでしょう」 「代わって阻止してくれと言うわけか」
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