ピース

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入学式から数日が過ぎ、学校にも慣れ始めた。 龍也はまだ、可奈に声をかけることも出来ず、毎日彼女を見て一緒の空間にいることに気持ちを満たしていた。 情けない……。 挨拶だけでもいいじゃないか ただ一言。 おはよう…。 その一言さえも、言えないなんて思ってもいなかった。 龍也はため息混じりに頬杖をついて、可奈を見つめていた視線を窓際に移した。
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