ピース

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………………………… 4時限目の数学の授業。 ヤバい…、消しゴム理科室に落としたんだ…。 潤は、筆箱の中身を探りながら軽くため息を吐いた。 唯一周りの席で女子なのは、前の席の眞山可奈だけ。 暗い雰囲気の彼女が、かなり苦手に思う潤はいまだ話しかけたことがない。 潤はしばらくどうしようか考えた。 思いきって借りてみようか? 意外と普通だったりするかも……。 なんて思いながらも、なかなか声をかけられずにいた。 えぇーい!潤!こんな事でぐじぐじするな! と気合いを入れて、ゆっくり右手を伸ばした。
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