ピース

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まだ桜の蕾も膨らまない4月7日。 今日は、山田龍也の高校入学式。 市内一、いやもしかしたら県内一最低偏差値の私立高校に通うことになっている。 龍也は決して勉強が出来ないわけではない。 通う高校など、どこでも良かった。 だから受験勉強をしなくても合格出来る高校を選んだのだ。 「なぁ、まだ用意できないのかよ」 龍也は、洗面台で髪をセットしている母、美雪をせかした。
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