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「おまえら、ここ滑り止めじゃなかったっけ?」
開口一番に、龍也は聞いた。
2人は顔を見合わせて、気まずそうに笑う。
「それは思っても聞かないでくれ…」
淳は栗毛の短髪をクシャクシャっと掻きながら、人の良さそうな少し垂れた目を細めて苦笑いをした。
「まっ、そういうことだからよろしくネ」
潤は龍也の肩をポンポンと叩いた。
2人とは、クラスは違ってはいたがクラブが一緒で、その時少し話す程度の仲だった。
まさかここで一緒になるとは思ってもいなかった龍也は、これからの高校生活、少しはマシになるな。と、よく晴れた青空に視線を移した。
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