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「何でお前がここに居るんだよ……。それと、いつものことだから放っておこうかと思ったが、会う度に抱き付くのは止めろ」
「別にいいでしょ?減るもんじゃないんだし。私もここで働くことにしたの。でもびっくりしたなぁ。シオンなら、ギルドより騎士団に入ると思ってたのに」
「そういえば、お前には言ってなかったな。俺にはお堅い騎士団なんかより、気楽なギルドの方が合ってるんだよ」
今の会話で分かった人もいると思うが、この女――マリア・プロメテウスは俺のことが好きなのだ。俺のどこに惚れる要素があったのかは知らないが、魔法学園初等部からの付き合いだから、優に3桁は好きだ何だと言って告白されている。(1年に10回~20回はされている)まぁ、こいつのことは嫌いじゃないんだが、色々思うところがあって断っている。
そして、幼なじみなこいつは打たれ強いのだけが取り柄ではない。魔法を使う授業は初等部からあるのだが、見本として教師が発動した魔法を簡単なものだったとは言え、すぐに真似してしまう程ずば抜けた才能を持っているのだ。だが、こいつが凄いのは上記の2つだけではない。座学(国語や数学)も学年上位に入る程出来る上に、その性格からか人望も厚い。
俺は「天才とは何だ」と聞かれれば、迷う事無く「マリア・プロメテウス」と答えるだろう。
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