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「じゃあ、単刀直入に言っちまうぞ?
お前、道に迷ってるだろ?」
非常に嫌らしい笑みを浮かべて、この男は見事、俺の現在状況を当ててみせた。
てか、何で知ってんの!?俺、そんなに挙動不審だった!?
「そっ、そんな訳無いだろ!俺は生まれてからずっと、王都に住んでるだぞ?」
図星だった為、少し焦ってしまった。その所為だろうか。再びあの笑みを浮かべながら、こんな事を言い出した。
「ほぉ~、そうかそうか。そりゃ、悪かったな。なら、俺は道を教える必要も無いし、飲みに行くとするか」
「えっ、ちょ……」
「ん?なんだ坊主、まだ何か用か?」
こいつ……、完全に俺の事遊んでやがる……。
その証拠に、ずっとあの笑みを浮かべながら話している。
それに、用があったのはあんたの方だろ!
「いや…あの……その……」
「何なんだ。はっきり言えよ」
「……道を…教えて下さい……」
恥ずかし過ぎて、死にそう…。
「何だって?そんな小せぇ声じゃ、聞こえねぇよ」
この野郎……!
でも、ここで引き下がったら、飢え死にする自信しかないしなぁ…。
「どうした?用が無いなら、俺は帰るぞ?」
あぁもう!
こうなったら、プライドでも何でも捨ててやるよ!!
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