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「ギルドまでの道を教えて下さい!」
よし!良く言ったぞ、俺。
「ク…クク……ブワッハッハッハッハッハッハ――――ゲホッゲホッ」
えっ、何!?何かしたのか、俺!?
確かに、この上無く恥ずかしい事したけど、咳き込む程笑うこと無いじゃないか!!
「――ゲホッ、ゲホッ……あ~、やっと咳止まったぜ。
お前、最高だな!まぁ、ただ俺と話してるだけの若造の眼には、“失礼な奴”としか映らないだろうがな」
「それって、どういう――」
パチンッ
俺が言い終わる前に、男はさっきとは打って変わって、とてもいい顔で指を鳴らした。
それと同時に、今まで見えていた景色が霞のように消え、とても広い道の奥に見覚えのある建物が建つ景色に変わる。
「なっ………」
「騙してて悪かったな。ちょっと遊んでみたくなっちまってよぉ。だが、今の“幻術”と“転移”に気付けなかったからって、落ち込む事は無いからな」
「……こんな高度な幻術と魔力消費の激しい転移を、気付かせないように使うなんて……。あんた何者なんだ?」
「これだから若者はいかんなぁ。何でも他人に答えを与えて貰おうとするのは、今の若者の悪い癖だ。」
いや、これだけ凄い事されたら訊かない方がおかしいだろ。
「……それに、焦らなくてもその内分かるさ。じゃあ、俺は用も済んだし帰るとするか!」
「おい!まだ訊きたい事は山程―――」
またしても最後まで言えず、男は話し始めた場所からここに移動させた時に使った、“時空間転移魔法”で消えてしまった。
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