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「あぁ~、やっと起きた」
「ほんと、やっとですね」
とろけそうな話しかたで義之を見つめる二人。
パジャマ姿がそれを引き立てる。
「えと……なにしてるの?」
いつもならありえない光景。
「なにって……ねぇ?」
「そうですよ」
わからない。
何がしたいんだ……?
「私はね、弟くんの寝顔を見てたんだよ」
「私もです。だって兄さんの寝顔、かわいいんだもん」
「…………、」
そうか、これは夢か。
夢の中で夢と気付く事は今までになんどかあった。
でも今回は他人の夢じゃなさそうだ。
つまり、だ。
ここなら何をしても平気なのだ。
そうと決まれば、
「じゃあ遠慮なく」
せめて夢が覚めるまで堪能しようじゃないか!
「いただきます!」
下心マックスの義之は寝ていた場所から跳び跳ねた。
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