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「俺は……」
当日楽をするならやはりお化け屋敷だろうと考えた。
「お化――、」
「ダメですーーーーーーー!」
義之の声を遮るように否定の言葉が入る。
眉を八の字にして不快感を表す義之の先、教室の出入口に彼女はいた。
(ま、まひる……)
この前出会った自称幽霊の女子。
前回はその余りの爆弾発言に動転して義之は逃げてしまった。
ずかずかと義之の傍まで歩いてくるまひる。
それを気にも止めないクラスメートを見るに、やはり彼女の発言は本当なんだろう。
「先輩! お化け屋敷なんてダメです。ここは人形劇にしましょう!」
「…………、」
「桜内?」
「あ、あぁ。すまん、俺はお化け屋敷――、」
「先輩……呪いますよぉ?」
「……よりも人形劇がいいかな」
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