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――桜。
薄い桃色の花びらは夜でも目立っている。
その漆黒を照らすフラッシュの中心に、黒いマントを着ている少女がいた。
銀色に近い髪。
緑色のリボン。
赤色の瞳。
自分の保護者とは似ているようで似ていない、近いのは身長くらいか。
その少女は、桜の木に話しかけている。
しかし一向に大木は聞き入れる様子がないらしい。
それを見ていた彼。
手伝おうか? と助けてあげたいが、今の自分では不可能。
なぜならここは、
――夢の中だから。
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