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――病室。
義之とななか、ゆずにゆずの父親慎は黙っていた。
理由は簡単。
慎がバックドロップでゆずと遊び、その拍子に机の板が外れ乗っていたプリンがななかの胸元へぐちょりとダイブ。それを見て驚愕した義之が立ち上がった途端に足を滑らせ、踏んづけた野球セットのボールで窓ガラスを見事に2枚抜きしたので看護師のミキさんにこっぴどく叱られたのだ。
……ね、簡単でしょ?
「ははは、すまないね~二人とも」
「いや、割ったのは俺なんで」
「にーちゃんが悪いぞ!」
「こらゆず! 義之くん泣いちゃったじゃないか」
「しくしく……だってななかがエロイからつい……」
「わたし、エロくないです~!」
と、すっかり元の調子になる。
「なーなーにいちゃん」
「どうしたの?」
ゆずが義之に話しかける。
ゆずは義之とななかを交互に見ながら……、
「にいちゃんとななかって付き合ってるのか?」
と聞いてきた。
「そ、そうだね~」
チラチラななかに合図を送ると、ななかはうん、と頷く。
(冗談を言えってことだな!)
「実はななかは俺と――」
『彼女』
『夫婦』
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