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母は、 萌子は経済力のある父と暮らさせた方がいい、と考えたのだろう その日から父と二人きりの生活が始まったのだ 父はすぐに新しい恋人をつくり、 萌子を邪魔がるようになった その事が世間に広まり 今まで仲の良かった友達も萌子に近寄って来なくなった… ――萌子ちゃんとはあまり遊んじゃだめよ?―― ――萌子ちゃんのお家は大変なんだからあまり関わっちゃだめよ? 悪影響だから。―― 周りの大人の言う事は 萌子の耳にも入ってきていた… 学校でも家でも居場所がない… 友達ってどうやってつくるの? 友達ってなに? そんな状態が中学校に入ってからも続いた 父ともぎこちない関係が続き 中学を卒業と同時に一人暮らしを始める事にしたのだ 父は決して反対しなかった むしろ好都合だっただろう―… 高校では"友達"をつくるんだ! ―…萌子はそう決意した。 「ふ~ 明日は寝坊しないようにしなきゃ…」 こうしてバタバタと一日が過ぎ去った .
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