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先生の自己紹介と出席確認を終えると、ちょうど入学式の時間になったようだ。
クラスの一同は廊下に整列し、A組の後に続いて体育館へ入場していく。
さて、退屈な時間の始まりだ。パイプ椅子があるだけまだましか。
短く開式の辞を済ませ、校長先生のお話に入る。ここが一番の山場だろう。
舞台に綺麗なバーコード頭の老人が上がり、礼をする。綺麗なバーコードだ。
「えー、新入生の皆さん。入学おめでとうございます。本日は……」
そんな出だしから、校長先生の有難いお話が始まる。俺はそれを右から左へ受け流す。ヤスの奴に至っては「皆さん」の辺りで既に眠りこけている。
それにしてもこの校長先生のお話というのは一種のスキルだと思う。数十分の間、月並みな言葉をつらつらと並べ続けるのだ。あれがアドリブなら割とすごいかも知れない。
そして校長先生からしたら、その間この群衆の前に立って休みなく喋り続けなければならないのだ。そう考えるとこの通過儀礼の一番の被害者は校長先生なのかもしれない。
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