1st TUNE:HOUSE

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「いやまぁ、さすがに初日で全員覚えろとは言わないけどさ、せめて名前と顔は一致させるようにはしろよ?」 「善処する。そういうお前はどうなんだよ?」 「俺か……C組の佐東さんとか、かなり好みだったなぁ……」 「目ざといな。しかも他クラス。」 「決めた……俺、放課後にあの子に告ってOKもらえたらお付き合いするんだ……。」 「……OKもらえた時点で付き合えね?それ。」 まあフラグ回収楽しみにしてるぜ。 と、俺とヤスが馬鹿話をしていると突如教室のドアが開く。 「うぃーす、出席取るぞー、と。」 気の抜けた挨拶をしながら壇上に上がってきたのは30代前半ぐらいの男性だった。 多分この男性が担任なのだろうが、ボサボサの髪に無造作に伸びたヒゲ、服装はジーパンに白衣一枚という聖職者とはなんとも駆け離れた出で立ちだった。 隣でヤスが「パツキンでボインの先生がよかった……」と何やらぼやいている。今時その言い回しはどうなんだ。 「……ああ、そういや今日は新入生だったな。じゃ、まずは自己紹介から始めっかな。」 先生(とおぼしき男性)が黒板に自分の名前を書き始める。字、汚なっ。 「つーわけで、俺がこのクラスの担任をする安尾 燕人(あんび えんと)だ。ま、一年間よろしく頼むぜ。」
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