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しばらく引かれた後にドアノブを開ける音がして中に入るよう押される。 引っ張っていたヤツが帰宅の挨拶をかけると新たな二人の声がした。 そこで後ろで布が擦れる感覚と共に視界が開けた。 久々の光に目を細めると、前方にいる三人が俺を見ているのがぼんやり分かった。 「ナツ、これが新しい奴隷?」 「えぇ。ミヤビが決めたんです、容姿も見苦しくない程度で調度いいでしょう」 「ミヤビが決めたんなら仕方ねぇな…おいお前、」 三人で俺を改めて品定めしたのち、濃い顔した男がおもむろに俺に言った。 「お前は今日から俺達の奴隷だ、毎日の仕事はミヤビに教えてもらえ。あと俺達に呼ばれたら三分以内に来い、分かったな?」 「…分かりました」 こういう場合はなにも言わずに従うのが得策だろう。 素直に了承すれば男はフンと鼻を鳴らして満足げな顔をした。 すると今まで後ろにいた明るいヤツが俺の顔を覗き込んできた。 「じゃあまず…、俺はミヤビ。三人の召し使いをしてるんだ。んであっちが右からシキ、ナツ、シュウ。この国の王子で君のご主人様だよ。」 皆のことは様づけで呼ばないとダメだからね、と笑ってない瞳で言われた。 どうりで偉そうな世間知らずな雰囲気だと思った。 王子なら何となく納得だった。 どうやら俺はひどく場違いな所に買われてしまったらしい。 「了解しました…ミヤビ様シキ様ナツ様シュウ様」 .
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