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ある日まさき君は赤色の紙飛行機をつくりました。
はじめて折り紙をやって、作った初めての紙飛行機でした。
まさき君は大切によく空の見える窓のまえに飾りました。
ある晴れた日の朝、強い風が
「ヒュウ!」
と吹きました。
その風に乗って紙飛行機は空へと飛び出しました。
しかし紙飛行機は飛び方なんか知るわけもありません。
なにせ紙飛行機はいつも窓から空を眺めていただけなのですから。
「空を飛ぶって気持ちいいなぁ」
紙飛行機は初めての空に感動しました。
決して飛んでるとは言えなくとも紙飛行機は
空の広さに感動しました。
そしてぐんぐん進んで行き町で一番大きな木を飛び越えました。
紙飛行機は隣街へと続く長い長い道の上を飛んでいました。
紙飛行機は飛び方がやっと分かって来て
あっと言う間に自由にとべるようになりました。
「あぁ、空を飛ぶって本当に面白いなぁ」
もう絶対に窓には戻らないと決めました。
このままずっと飛んでいたいと
そう願いました。
紙飛行機はどんどん飛んで
道の終わりまでやってきました。
紙飛行機は隣街へと飛んできました。
全く飽きることなんてなく
ずっと笑顔で飛び続けています。
そんな時一つの黄色い紙飛行機とすれ違います。
その黄色い紙飛行機はひどくぼろぼろでしたが
とても輝いています。
紙飛行機はしたから笑い声が聞こえます。
小さな男の子が黄色い紙飛行機を
溢れんばかりの笑顔で追いかけていました。
紙飛行機はなんだかとても悲しい気持ちになりました。
「僕のしたを見てもまさき君はいない」
紙飛行機は気がつきました。
僕は空が飛びたかったんじゃない
一人で遠くに来たかったんじゃない
まさき君と遊びたかったんだ。
紙飛行機は直ぐに戻ろうとします。
しかし、もう遅かったのです。
紙飛行機は自分じゃ戻れないくらいに速度を上げていました。
紙飛行機の意思とは裏腹に紙飛行機はびゅんびゅん進んでいきます。
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