入界

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おう。 やっと来たか。 長いこと待ってたよ。 は? あんただよ 読んでるあんたのことだよ。 それ以外に誰がいるよ… 今あんたの中でオレはどんな姿をしてる? もしかしたらあんたの嫌いな奴の姿に似てるかもしれないし ボーイッシュな女かもしれない。 ま、想像に任せるよ。 小説ってそういうもんだろ? … オレ? オレは著者に決まってるだろ。 なんにも考えてないんだな。 とりあえずあんたが読んだ時点で 入界ってことにさせてもらう。 入界ってのはオレの思い付きで作った言葉。 つまりはこの世界に入ること。 ここではオレがあんたを主人公にして オレの考えた世界を思い通りに動かしていく。 あんたは今の人生に不満があるだろ。 「もうちょっと可愛ければ…」 とかな。 誰でもなんかしらの悩みはあるさ。 だから違う人生をこの小説で体験してみてくれ。 最初の物語ではとりあえず あんたは男だ。 喋り方がウザい? そんなのまだ決め付けるなよ。 1ページ目だぜ?
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