第1話「紅き翼、ハサミ少女」

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今まで下に伏せらていた目が ふと正面の廃墟に向けられた そして、勢いよく立ち上がる その瞳には強い光が灯っていた (建物があるってことは…森の出口も近いってことだ!!) なんの根拠もないが、彼を立ち直せるものとしては十分だった 「…とは言えどうしたもんかなぁ」 はぁ~っと彼は溜め息を吐き 「…とりあえず、この建物の周り歩いて見るか」 彼は、辺りの詮索を始めた 建物自体はそこまで大きくないものの 建物は壁の至るところにひびが入っており 窓ガラスは全て割られており その窓から中を覗いてみても、 ところどころ窓からの光は入っているものの 暗闇が覆い尽くしていた 不気味 そんなことばがよく似合う建物だった 「…うっわ、幽霊とか居そうだな…」 優一は幽霊という存在を否定している人間であったが、思わず口に出てしまった そして、それと同時に早くここから離れたいと思った とりあえず、建物の周りをぐるっと見てみたところ この場所を特定するようなものは何一つなかった はぁ~っとまた溜め息を吐き とりあえず、この建物の入り口に向かう
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