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終夜が中に入って行くのを見た優一は慌てて茂みから飛び出しそのまま、入り口に向かった
終夜が中で何をしているのか
悪いことをしているとは考えたくはないが、確認しようと思ったからだ
そして、帰り道を教えてもらおうと思ったからだった
…どちらかと言えば、後者の方に重点を置いている
建物の入り口まで後数歩というところで優一は立ち止まる
キィィィンと金切り音が優一の頭の中に響き渡る
脳をグチャグチャに掻き回されるような感覚
あまりの気持ち悪さに優一は頭を抑え
地面に両膝を着く
あまりの不快感に意識が刈り取られそうになりながらも、ぐっとこらえる優一の耳に
「…めよ…は……て…だ…」
途切れ途切れではあったが
優一の耳に声が聞こえた
いや、頭の中に直接響いた
はっきりとは分からないが
まるでテレパシーのような声
しかも、声だけ聞く限り、少女の声だった
声が聞こえながらも、頭をグチャグチャにされるような不快感が続いた
優一が再び両足でしっかり立ったのはそれから、5分後のことだった
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