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優一は、ふらふらとした足取りながらも
建物の入り口をくぐり中に入った
建物の中は窓から入る光の他にはなにも光源はなく、薄暗かった
その薄暗いなかでも、足元に積もる埃の山や
ボロボロなコンクリートの壁は確認できた
ただ、風化してボロボロになったコンクリートの壁の他に
鋭利な刃物で傷付けられた痕があったり
切り裂かれたテーブルやイスが転がっていて
優一の中では不気味な感じが増していた
早くここから出たい
この場から180°ターンをして真っ直ぐ外に飛び出したい、と思った
しかし、ここには、この建物には
クラスメイトの終夜が居る
自分が家に帰るための手掛かりが居る
二つの思いがぶつかり
せめぎ合い
出した結論は…
「…行くしかないよなぁ!!」
パンパンと両手で顔を叩き気合いを入れた
そして比較的窓が多く明るそうな部屋に入ろう一歩踏み出した途端
その部屋の入り口の天井が崩れ通れなくなってしまった
突然天井が崩れたことに大いに驚きながらも
自分の上の天井が崩れないことを確認し、ほっと息を吐いた
しかし、唯一明るそうな部屋に行けなくなってしまったために
真っ暗で少し先も見えないような部屋に入らなくてはいけなくなったため優一は落ち込んだ
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