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突然のことに、「うわっ」と驚いて顔を離す。
大きくて切れ長の目が、真っ直ぐに俺を見つめている。
泣いて…る??
充血してるよ。
てか
ホントに綺麗だなこの人。
緩くウェーブがかった金色の長い髪の毛。
透き通る様な真っ白な肌。
化粧してる?
それすら分からない。
あー
そんな目で見んなよ。
何なんだよもう。
俺の頭の中は、どうやら緊張感がないらしい。
こんな状況でさえ相手の容姿にばかり目がいく。
大切な人の命がかかっているかもしれないってのに。
ごめんね、サトルさん。
そんな緊迫してるのかしてないのか分からない状況で暫く見つめ合っていると、
「もういい」
先程とは打って変わって、落ち着いた声が聞こえた。
我に返って「え?」と目をパチクリさせた瞬間、女は何故かふわりと笑って見せた。
正直、ノックアウトだ。
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