1人が本棚に入れています
本棚に追加
「殺してくれって言われたんすけど」
早速本題に入る俺に、ペットボトルに口を付けたばかりのサトルさんが「ぶっっ!!」と液体を吐き出す。
慌てて口を拭う姿に、思わず吹き出しそうになった。
「…ぉまっ!なんだいきなり」
ガルルル~と聞こえてきそうな勢いで、サトルさんの犬歯が見える。
「なんか恨みでも買いました?」
サトルさんはポカンと口を開けている。
「金髪で色白くて、すっげー綺麗な人でしたけど」
そう付け加えた瞬間。
サトルさんの目の色が明らかに変わった。
なんか、心当たりがありそうな雰囲気。
「…アコ?」
って
聞かれても知らねーし。
「まさかあいつ…」
サトルさんの顔色は段々青ざめていく。
「小柄で、髪長くて、目でかくて?」
ウンウン、と頷く俺。
「はぁぁぁーっっ」
盛大な溜め息がサトルさんの口から漏れた。
「あいつ、お前にまで」
それからもう一度溜め息。
なんだか分からないけど
やっぱ
俺の知ってるサトルだった訳ね。
最初のコメントを投稿しよう!