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改めてスタジオ入り。
女とサトルさんの関係を知った瞬間、さっきまでのモヤモヤもどっかへ消える
…筈だったんだけど。
女…アコさんの顔が頭から消えてくれない。
それに、サトルさんに彼女がいるだなんて初耳だ。
まぁ、いてもおかしくないんだけど。
特定の女がいるだなんて、今まで想像すらしたことなかったから。
なんか、意外。
「相変わらず遅刻~」
ドラムスティックで俺を指しながら、ヘラヘラと笑う洋ちゃん。
「女だ女」
ベースから目を上げてフッと目を細める伊東さん。
「違いますって。学校が…」
嘘の言い訳を始める俺。
PARADE OF CHAOS
ここが、俺の居場所。
サトルさんが造った王国だ。
やりたい音楽。
居心地がいいのは、それだけが理由じゃない。
同じ音楽をやれる仲間がいるってのは、こんなにも素晴らしい。
「お願いしまーす」
それから俺は、頭のモヤモヤを吹き飛ばす様に愛しい相棒を鳴らしまくった。
明日から夏休み。
この日の練習は、嫌でもテンションが上がった。
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