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練習が終わると、４人で飯屋に寄った。
「えーまた牛丼？」と文句たれてたサトルさんも、流れに逆らえず渋々店に入る。
「このメンバーでやり始めて１年か」
向かいの席に座った伊東さんが、感慨深げに腕を組んだ。
「そろそろドカーンとデカいフェスにでも出る？」
ご機嫌な様子で早々と割り箸を割る洋ちゃん。
「バカ。気がはえーよ。まだまだちっちぇーんだ俺らは」
そんなに牛丼が嫌だったのか、サトルさんは拗ねた様子で紅生姜をいじくってる。
「唯が入って１年。いいバンドになったな」
伊東さんの有り難いお言葉に、俺は感激した。
嬉しい。
嬉しすぎる。
「俺、頑張るす」
「おー。頑張れよ少年」
すかさず隣のサトルさんが俺の頭に手を乗せて、わしゃわしゃと髪の毛を掻き回した。
サトルさんはまだまだだとか言うけど、５年前に結成されたPOCはどのハコにも引っ張り凧の人気者だった。
インディーズでCDも２枚出してるし、知名度もある。
解散するしないで活動休止期間が約１年続いた後、今のメンバーに落ち着いた訳だけど。
あー
なんか思い出すなぁ。
サトルさんと出会った時のこと。
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