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高校生バンドばっかのイベントで、休み中に3回の出演が決まっていた。
美穂と付き合い始めたのもこの頃。
明日で夏休みが終わるって日に、最後のライヴをやった。
なんか、いつもと雰囲気が違う。
その日は知らない大人の顔がたくさんあった。
酒と煙草の臭い。
その雰囲気が嫌じゃなくて、俺のテンションは変に上がっていた。
「お前、そんなのやりたいんじゃないっしょ」
サトルさんがビール片手にそう話し掛けてきたのは、ステージで必要以上に暴れた直後だった。
「見てりゃ分かる」
差し出された缶ビール。
はにかんだ顔を見つめながら、未成年の俺はそれを躊躇しながら受け取った。
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