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ぼんやり聞こえる担任の声…
デカい声だな。
もうちょっとボリューム下げてくんね?
あー
やべー
超眠てぇ…
バコン!!
「…っっつ!!!」
頭を押さえ、見上げた先には鬼塚、もとい大塚の怒りに満ちた顔。
「いってぇ!!」
そして、俺を攻撃した黒いファイル。
「夏休み、ダラダラしてばっかだと腐るぞ、って今話してる途中なんだが」
クスクス、と周りから小さな笑いがおこる。
「…スんません」
頭を垂れる俺の肩に、大塚はごっつい手を乗せてきた。
「特に黒崎、お前気抜き過ぎんなよ。しっかり補習もあんだから」
「えーっ!!」
「えーって、当たり前だろ」
フンっと鼻で笑う大塚に、俺は完敗した。
こいつ、嫌いだ。
高校2年の夏休みに補習だって?
夏休みをこよなく愛する男へのこの仕打ちは一体なんですか神様。
まぁ、自業自得か。
ふぅー、と息を吐き出し、まだ続く大塚の話に耳を傾ける。
明日から夏休み。
早く帰りたい。
もうそれしか思わない。
どうせ皆大塚の話なんて頭に入ってないんでしょ。
代表して怒られてやったんだから、感謝して欲しいぐらいだ。
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