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「次、俺」
やんちゃな笑顔を向けながら、さっさと自分の耳にヘッドフォンをあてがうサトルさん。
聴く様に促したのは自分のくせに、いざ人が聴きはじめるといてもたってもいられないんだろう。
その辺の行動は、今となっては手に取る様に分かる。
というか
単なる寂しがり屋さん。
俺と音楽だけが楽しくやってるのが、気に食わなかったんだと思う。
勝手だけど、そういうところは年下の俺から見てもなんか可愛らしい。
「サトルさん」
口の動きを見て、サトルさんは目だけで返事した。
「いいバンドっすね」
そう言うと、サトルさんはにっこり笑った。
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