出会い

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5冊も持ってきたくせに、結局1冊もまともに読まず、サトルさんは漫画を棚に戻した。 あの後、あーでもないこーでもないと楽曲について話し合い、気付けばいい時間。 サトルさんは仕事に向かう。 これも毎度の流れだった。 「じゃ、気を付けて帰るんだよ少年」 「どっちが少年か分かんないすけどね」 ハハッと笑って、サトルさんは手を振った。 「またな」 夜の街に消えていく後ろ姿。 俺は勝手に「出来る男の後ろ姿」だと感じている。 あの渋さはどっから出てくるんだ。 人生経験? 俺も25になったら渋さ出る? 自信ないや。
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