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「何って、お前もあの映像をみたんだろ!悪いな、早い者勝ちだ」
「おい待て!」
俺が言い終わる前に0846はカプセルを飲み込んだ。
「何してんだ!お前映像みたんじゃないのか!?」
「みたよ、みたからカプセルを飲んだんだ!」
こいつ、自殺する気か!?…いやもしかしたらこいつがみた映像は違うのか?
「俺がみた映像ではカプセルを飲んだ男が死んだぞ…」
「馬鹿な!俺の映像はカプセルを飲んだ女が生き残ったぞ!!」
これではっきりした…こいつと俺の記憶は違う、じゃあどっちが正しい…?
でも大丈夫だ…これは実験、だから死者が出るはず無い…大丈夫だ。
そう心を無理やり落ち着かせていた時、とうとう10分が経った。
プシューと有毒ガスが噴出される。
「ごほ、ごほっ…どうなって…やがる、本物じゃねぇか」
「ごほっ、そんな‥」
苦しむ俺達とは裏腹に、ただ立ち尽くしている0846。
そして0846は恐怖に染まった顔でこう言った‥その言葉を聞いた瞬間…俺は背筋が凍りつきそうだった…
「か、体が動かない…」
俺がその言葉に驚いていると、あの映像通りに試験会場の扉が開いた。
すぐさま試験会場を出る0135‥
「大丈夫か!?今助けるからな!!」
「0035‥無理だ体が動かねえ…早く逃げろ」
0846の体は氷のように固く、動かない…。
「チクショー、もうだめだ…一旦外で空気吸って…来る」
そう言って試験会場を出た瞬間…やはりあの映像通り扉は閉まった…そうだ俺は分かってた、扉が閉まる事を…ただ俺は俯き、試験会場の中から聞こえる微かな叫び声を聞いていた。
「あ…助けて…お…願い…だ…」
そして俯いている俺に対し、0135はこう言う。
「もう無理だよ‥君は最終試験で落ちる」
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