記憶

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周りを見渡すとそこは白い空間、机は規則正しく並べられ、そこに座る人間は皆ひたすらペンを動かしている…四隅には教師だろうか…スーツを着た男が立っている。 「ああ!こ、ここは何処だよ!!」 見覚えの無いその場所、気づいたらそこに居た…ペンを持って、規則正しく席に座って…まるでなんかの試験だ… 「そこの君、カンニングとみなしますよ!」 思わず叫んだ俺に対し冷たく忠告するスーツの男…だからこれは何の試験なんだよ! 「あの…質問なんすけど、いいすか?」 「…試験番号0035、なんだ?」 「これって…何の試験なんすか?」 その質問をした瞬間、今まで規則正しく座っていた周りの人間がこちらを一斉に見た… なんだ、なんでみんな驚いてんだ…? 「え?なんか…すいません…あっ、じゃあ、ここは?ここは何処なんですか?」 「君!静かにしろ‥試験に落ちるぞ…」 俺の後ろの席、メガネをかけた知的な青年が耐えきれず忠告する。 だから、なんの試験なんだよ!! 「0035!試験を続けろ」 「はい‥すいません」 どうなってんだ…俺は昨日…昨日…なんでだ思い出せない とりあえず座ったが、謎の試験を受ける義理なんて無いし、第一受かったら何があるのかも分からない… 「なんだこれ…」 1+4…3+8…5-1… 小学校低学年レベルじゃねぇか…なんでみんなこんな真剣に… 一体これは何の試験なんだ…
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