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この人形の数を3に減らせばいいだけの試験…こんな事して何がわかるんだ…
「どうやって減らすんだ?」
「多分あれじゃないか?」
そいつが見ている方向を見ると、壁に人形が一体入る程度の穴が開いている…あそこに入れるのか‥
「入れてみよう」
1人が人形を取り、穴の中に投げ入れた‥人形は闇へと消えた…
「…残りは5体か」
「うっ…うぇ、く、苦しっ…」
「おい、大丈夫かよ!?誰か!?おい見てんだろうが!!早く助けろよ!」
突然胸を押さえ、悶え苦しむ男…それをマジックミラー越しに見ているだろうスーツの男…
俺はすぐさま駆け寄り、マジックミラーを叩く。
「早く助けろ!死んじまうだろ!」
「0035…」
「なんだよ0135!?」
「この人、死んでる…」
悶え苦しんでいた男は目を見開いて死んでいる…その目は未だに助けを求めていた…
「な、なんで…死んだんだ…」
「分からない…とりあえず人形を穴に…」
穴に投げ入れかけたその時…
「待て、考えてみろよ‥人形を穴に捨てた直後にそいつは死んだ…何故だ?何故死んだ?」
「なんかの発作とかじゃ無いのか…?」
「仮に発作だとして…こんな偶然有り得るか?第一発作持ちの人間が試験を受けに来るか?」
「あんた、何が言いたい?」
「だから‥人形を捨てたからこいつは死んだ、奴らは意図的に発作を起こせるって訳だ…そして人形を捨てる度にここの誰かが死ぬ」
確かに出来過ぎてる気もするが…考え過ぎとも言える…
しかしこのままじっとしてても何にもならないのは事実だ‥
「ふざけるな!!そんなはず無い!なんでそんな事知ってるんだ!?」
「知ってる訳じゃ無い‥ただの勘ってやつだよ」
「ただの勘?そうやって俺達を陥れようとしているんだ!」
「おいおい待ってくれ‥君が今までどんな人生を送ってきたか知らないが、被害妄想が凄いなぁ‥俺が君たちを陥れて何か得になるか?合格者は複数いていいんだぜ‥?」
「うるさい!うるさい!うるさああああい!」
穴の前で止めたそいつの手は再び動き出し、人形は穴の中へと消えて行った。
「ははは、やっぱりだ‥やっぱり僕らを‥僕らを…う、うう…胸が痛い‥」
あいつの言う事は正しかった‥今度は投げ入れた本人が死んだ…同じように目を見開いて…
残りは4人…
俺は気づいていた…今回の試験は…
今までと違う…
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