変化。

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それから上条くんの笑顔。その破壊力は計り知れない。普段から笑顔でいることが多い上条くんは、髪の色も相まって天使だの王子だのと呼ばれている。 更に、これはすごく予想外なのだけど、何故か弟のハルまでなかなかの人気が出ている。何故だ!意味が分からない。中学のときにはなかったのに。 ついでに私とハルは似ていない。ハルは奧二重で少々つり上がった目つきをしていて(キツネというあだ名のときもあった)、そこまで喋らない――というか物凄くマイペース。そのくせに生意気だ。中二のときから身長が絶賛成長中で、いまや180近い。上条くんよりも数センチ高いらしい。 この二人が一年生の中で(良い意味で)浮いてるため、そのどちらとも接点がある私も何故か浮いた(どちらかといえば悪い意味で)。時には悪寒のようなものを感じることさえある。 一番怖いのは廊下で上条くんに遭ったときだ。彼はほぼ100パーセント話しかけてくるのだ。その時ひしひしと感じる視線に気付いているのはいつも私だけである。 私の学校生活はがらりと変化してしまった。
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