THE END OF THE MEMORY

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――あの日から何日か過ぎ、冬眠の日が迫って来る。あれ以来姫香とはまともに話してはいない。今日も学校では訓練が行われ、呆気なく一日が終わる。明日も無事に一日が過ぎてくれる事を願う。この前クラスの人が頭にヒョウを受け、重傷で病院に運ばれたから。 そんな事を考えている内に眠っていた。深く…深く。 ――――目の前には氷と雪しかない。人の気配は無い。とてつもない不安と恐怖が俺を襲う。 心『なんだよ。ここは』―――そう呟く。 辺りを見回しながら歩く事にした。―――しばらく歩いて行くと見知った顔に出会う。 壱斗だ。 壱斗と他愛も無い話をしていると、急に壱斗が動かなくなる。 心『………❗❗❗』声にならない叫びが頭に木霊する。気が付けば自分の指先が凍り付き始めている。さっきまで話していた友達が一瞬で凍り付いた事と、自分の指先が凍り付き始めている恐怖に、その場から立ち去りたいと全力で走った。 とにかく走った。走った。走った。―――気が付けばいつもと変わらない学校の教室に居た。 友達と会話している時、ふと違和感を覚えた。一人一人凍り付いている。だが、周りはそれに気付く様子は全く無い。 そしてとうとう自分も凍り付き始めた。最早首まで凍っている。 心『………ッッぃゃ…』 『……いやだ』 『嫌だ❗』 『うぁあぁああぁあああぁあ❗❗❗❗』
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