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「排泄は奥の隅にある窪み、水はそこの皿、そしてその皿に乗っている視肉が餌だ。どこからちぎって食べてもいいが、目だけは食うな。わかったか」
看守と思われる人がそういった。看守という役には似合わない、若い女性の声だった。
「そしてその皿に乗っているシニクが餌だ」と言ったときに俺を指さしたのはどういう事だろうか。シニク。歯肉、死肉、屍肉。おや、漢字に変換したところ、俺は三分の二の確率で死んでいることになった。シュレディンガーの猫より死んでいる。やはり俺は死んでいるのか。そして、この囚人の食料となるのか。もうちょっといい死体の使い方はなかったのだろうか。ところで、俺は皿に乗っているらしい。
ちょっと視線を下に下げてみると、白く光沢を持った円盤の縁のようなものが見えた。なるほど、皿と言われれば皿だ。縁の湾曲具合から察するに、この皿はそこまで大きいものではなさそうだ。少なくとも、人が乗り切るサイズではないだろう。俺はすでに料理されているのかもしれない。
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