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『天国と地獄』
目を覚ますと、
そこは真っ白な世界だった。
"あぁ、ここが天国か…"
そう呟いたけど、
声など出なかった。
体は熱いのに、震えるほど寒い。
手首に目をやると、
細い糸と頼りない鎖が繋がれていた。
力を入れたら、
きっと簡単に抜けられる…
でも、
起き上がることさえできない。
"おまえは、地獄にしか行けない…"
耳元で、
冷たい風に囁かれていた。
再び目を閉じると、
強い鼓動が聞こえた。
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