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愛されることは怖いこと。
そう覚え込まされた俺の未来に幸せなんかくるのだろうか。
「……」
「ただいま!」
「…おかえり」
遅くなるとメールが届いたのがつい五分程前のこと。
差出人はニコニコ笑顔を飾る目の前のコイツ。
「……つか、」
だが俺には、遅くなるんじゃなかったのか、とか言う前に是非とも問いたいことがあった。
「なにその犬…」
彼のスーツの上着の中で可愛いらしく舌を出している子犬。
薄い茶色の毛に垂れた耳、くりくりした目なんか可愛いことこの上ない、が……。
「拾った!」
「拾ったぁ?」
眩しいくらいの笑顔でそう言われたって、意味が分からないことに全く変わりはない。
どこから拾って来たんだか…。
どやして問い質したい。だが、季節はまだ春の手前。
「…はぁ、とりあえず入れ」
…俺はため息一つ溢し、目の前のバカを家に入れるのだった。
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