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『フンッまぁ良い。行くぞ』
『へ?』
『あのババァ(観世音菩薩)にこれを届けてからになるが‥服。要るだろ?』
書類を片手に視線を向けながら悟空に言う
『あ!うん😃』
体にほんのり温もりが滲む。
1℃上がったような気がした。
――部屋を出るとやはり外の方が冷える。
書類を持つ金蝉の横を遅れないように時たま足早に走って隣を歩く。
広く長い廊下に人気は無く二人の影と足音だけが廊下に響いていく。
しばらく廊下を歩きそろそろ目的地に着こうかと言う所で、いきなり悟空が口を開いた。『……なぁ金蝉。俺、金蝉の服が良い』
そう良い終えると悟空は足を止め、金蝉を見上げて凝視する。金蝉もつられたように止まるとそのまま踵を返して悟空に向かい合った。
『は?なんだそれは?』
妙に静かだと思ってた所でいきなりのこれだ。全く意図が掴めない。
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