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「まぁまた会えますから。そのうち、城の方へも挨拶にいらっしゃるでしょう?」
「城に?」
「だって兄上と結婚なさるなら王である父と兄上の母君に認めてもらわなくてはならないですから」
―そういえばそうだった!
すっかり忘れていたけれどエドワードは王子で、もしも彼と結婚したらすなわち自分も王家の人間になるということなのだ。
それには礼儀作法や知識と教養、いろいろなものを身につけてなければならない。
「えっ!どうしよう!?」
シャルディは礼儀作法も教養も女らしさも残念ながら持ち合わせているといえるレベルではなかった。
「シャルディはそのままでいい」
エドワードは気楽そうに言ったが、シャルディは今頃気づいたことの重大さに血の気が引くのを感じていた。
「しかし、兄上が良いと思ってもあなたの母君は納得しないでしょうね。あの人は厳しいですから」
「そ、そんなに怖い人なの!?」
「怖いというか…」
「…簡単に言うといちいち難癖つけたがる性格の歪んだクソババア、かな」
シャルディはそんなエドワードの言葉に不安を覚えずにはいられなかった。
終
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