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そしてついに解放されるべく迎えた最終日。
リゼッタは涙ぐましく友の帰郷を惜しんでいた。
「また遊びにいらしてね」
「ええ、絶対!リジーもマデルンに来たら連絡してね」
「ええ。約束するわ」
2人は固い握手を交わした。そして次にはディンガー、最後がアンドリューだ。
さすがに最終日ともなると振り回された日々も良い思い出でなんだか感慨深い。
そんな時、ふとディンガーが口にした一言。
「そういえばシャルディって一体いくつなんだ?」
「私?私は18よ」
あっさりシャルディが答えると一同はええっ!と声をあげた。
実を言うと誰一人シャルディの年は聞いたことがなかったので知らなかったのだが、てっきり同い年か年下だと思っていた。
それなのに実際には年上だったとは。
ちなみに参考のため、言っておくと3人は同い年で16歳である。
「オレ、てっきり12、3だと思ってたぜ」
「は?失礼ね!18っていったら立派に大人なんだからっ!」
「だってガキにしか見えな…」
みなまで言わずにシャルディから平手打ちが飛んできた…が、それは運悪くディンガーをすり抜けアンドリューに炸裂した。
ばたん!
「あっ…!」
あまりの衝撃にアンドリューはそのまま倒れ、気絶してしまった。
「やだっ、どうしよう…」
さすがにこれにはシャルディも責任を感じた。
「ディルが逃げたのがいけなかったんだわ」
「馬鹿!そんなみすみす殴られるかっての。そもそもシャルディの狙い所が悪いんだよ」
シャルディはもごもごと何か言いたそうだったが、結局口には出さなかった。
そして申し訳なさそうにリゼッタに言った。
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