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そう誠実に語るアンドリュー王子は傲慢でもなく、気取っている様子もなく、実に文句のつけようがないほどいい青年だとモリスは思った。
しかもやっとシャルディと対面できると胸を躍らせている姿をまざまざと見せつけられては彼の期待を裏切るのは非常にしのびない。
だが、シャルディ不在の今、時間稼ぎをしてもなんの意味もない。
そしてモリスはついに腹をくくった。
「そうですか…。しかし、申し上げにくいのですが…私は王子に残念な知らせをせねばなりません」
王子の顔が僅かに曇る。
仕方がないとは思ってもモリスの心は罪悪感でいっぱいになった。
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