4月13日②

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相手の女たちと会えさえすれば、旦那がどんな風に呼び出そうと構わない それは 本当でした。 でも私は、てっきり旦那は私が来ないことにして女を呼び出すものだと思っていました。 だって (旦那が言うには)旦那と女たちは、“割り切った、都合のいい”関係であり、お互い自分の家庭がいちばんで、それを壊す気はない─ それを、そのまま信じるとすれば、旦那は、いちばん確実に女がその場に来る方法を取るだろうと思ったからです。 いちばん確実に女が来る方法─それは、いつものように2人で会うことにして待ち合わせることです。 「嫁が会いたいみたいだから来て」なんて言われたら… 私が美穂や琴美の立場だったら絶対に、行きません。 行ったら、確実に面倒なことになります。 頭から水を掛けられたり、ビンタ張られるくらいで済めばいいけれど、下手すれば自分の家庭も壊されます。 最悪 刺されたりするかもしれません。 そんな場に、たかだか遊びの男のために行くでしょうか? 「どうして私が行くってこと言ったの?」 旦那は答えました。 「だって…来ないことにしといてポポが来たら、『ワ───!』ってなるでしょ?」 どうやら、女がビックリして取り乱すと言いたいみたいです。 「ビックリはするだろうね。でも、確実に連れて来れるんじゃない?」 「うん…」 「でも、私がいるのに、よく来るって言ったね、美穂。 私だったら、行かないわ(笑) 逆に聞きたいけど、なんで来るの?」 「…『そっちの家庭を壊したくない』って…」 …“そっちの家庭”って、私たちのことです。 なんか、モヤモヤします。 確かに、美穂が来ることで、私たちはキチンと話し合いができて、それによって私と旦那はまたやり直すことになるかもしれません。 しかし 美穂にとっては絶対に、 自分(美穂)たちの家庭>私(ポポ)たちの家庭 のはずです。 なぜ自分の家庭が壊れる危険性を侵してまで、私たちの家庭を守る? 矛盾しています。 もしかして、“都合のいい関係”というのがそもそも嘘で、本当は、お互いの家庭を壊してでも旦那と一緒になりたいとか? 「ねぇ、タカシさ、美穂に、私がなんて言ってるって言ったの?」 「…(-_-;)」 「来んでしょ普通?」 「…(-_-;;)」 「ねぇ?」
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