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「…別に…普通に…『会いたがってるから来て』って言っただけだよ…(汗)」
旦那は、非常に歯切れ悪くそう繰り返しました。
だから…それじゃおかしいでしょうが!(-""-)
もういい、どうせ三日後には美穂に会えるんだから、本人に直接聞いてやろうと思いました。
「ところで、美穂とはいつからそうゆう関係なの?
あと、どのくらいのペースで会ってたの?」
美穂に会う前に、最低限のことは知っておきたいと思っていた私は、旦那に尋ねました。
「えっ…と…関係持ったのは…夏…ぐらいかな…多分…8月から」
8…9・10・11・12・1・2・3・4月…
指折り数えてみると、美穂との関係は、約8ヶ月間でした。
8月──妊娠7ヶ月の私は、旦那と2人きりで最後の旅行に行っていました。
夫婦水入らずでゆっくりできるのも最後だねとか言いながら、温泉や、牧場に行ってたくさん写真を撮りました。
大分大きくなったお腹を抱えて、私は幸せでした。
その頃に始まっていた美穂との関係。
11月には娘が産まれました。
私たちにとって初めての子ども。
8ヶ月間にあった 私たち夫婦・家族の色々な思い出を浮かべては、それが一つずつ崩されていくように感じ、胸が締め付けられました。
「会うペースは…2~3週間に一回ぐらい…かな…」
2~3週間に一回 か…
まあ、この質問は、間違いなく少な目に言うだろうなあ。
てゆうか…
「なんで──
マナが産まれた時に、止めようと思わなかったの?」
抱いていた娘の顔を見ると、自然に涙がこぼれてきました。
「…ゴメン…」
「もしかして…琴美もマナが産まれたのまたいで付き合ってたの?」
「……ゴメ
「答えになってない!!
なんでそんな時期に…何やってんの!ぅ…」
「…ほんと、ゴメン…
マナが産まれたら別れようと思ってたんだ!
だけど…マナが産まれて、
『これで終わりなんだよね?』ってあんまり悲しそうに言うから、俺…どうしても『うん』って言えなかった…
『そんなことないよ』って…」
もう、この人にはなんて言えばいいんだろう。
涙さえ引いていく感じがしました。
“禁断の恋”とかの主人公になったつもりでしょうか。
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