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私の脳内には、ことが終わった旦那と女がラブホのベッドの上でやり取りをする様子が繰り広げられていました。
女「赤ちゃんも産まれたことだし、あたしたちもう会えないね…フフ(力なく笑う)」
旦那「(後ろからギュッと抱き締めて)俺…俺…やっぱ…無理だわ。もう会わないなんて!」
女「駄目だって!(目ウルウル) タカシくんはもう、パパなん…」
ブチュウ────【2回戦突入】
もうやだ…想像したくないのに想像して、クラクラします。
てゆうか、お互い遊びの都合のいい関係とか言ってたけど、完全に感情入ってるじゃないか!
悲しくて涙が出たり、怒りが込み上げてきたり、脱力感に襲われたり…私は感情の起伏が恐ろしく激しくなっていました。
「じゃあ…とりあえず16日ね…
琴美の方も、段取りして連絡してね。
…あと、エイズ検査もだからね…」
これ以上話していても、腹が立つだけだと思ったので、話を切り上げ電話を切りました。
しかし、なんでもいいから何かしていないと、次から次へと変な想像力だけが働き、リアルに目の前に浮かんできます。
私は携帯を手に取りました。
『平汰くん聞いて!旦那がウンタラカンタラ!!』
『ポポちゃん大丈夫?信じた相手に裏切られるのは辛いよね…俺は…(以下精神論)』
ポチポチポチポチ…ポチポチポチポチ…
ポチポチポチポチ…ポチポチポチポチ…
こうして、私の眠れぬ長い夜は、平汰とのメールで更けて行きました。
──背後に母の気配を警戒しながら。
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