4月14日

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午後1時2分前。 私は、「林法律事務所(仮称)」のドアの前にいました。 時間には随分余裕をもって家を出たつもりでしたが、初めて来る場所であること、そもそもナビを使うこと自体ほとんど初めてだったこと、そして、駐車場の場所が分からずぐるぐる迷ったことで、結局約束の時間ギリギリの到着になってしまいました。 ここまで来たんだから、もう入るしかないのに、ドアの前で娘を抱き、一瞬躊躇してしまいます。 ********** 『おはよう(^-^)/』 さかのぼること数時間前、平汰のメールから、一日は始まっていました。 何時に起きた、朝御飯はなんだ、今日の予定は…そんな、他愛もないことを話題に、私たちは、寝ている時間以外 メールをしていました。(寝ている、と言っても、私の方はうまく眠れてはいませんでしたが。) まるで付き合いたてのラブラブ高校生カップルの様な頻度で、私たちはメールてしいました。 旦那も、私に隠れて一日中こんなペースでメールしていたんだ…と思うと、悔しくなりました。 間違っているかもしれない、阿呆らしいかもしれない、「冷静になれ」と言われるかもしれない、いや、普通言うでしょう。 けど、旦那と同じことをしてやりたかったのです。 ********** 意を決して 私は、「林法律事務所」のドアを開けました。 中は、白を基調とした、スッキリと清潔感のあるオフィスでした。 それほど広くはなく、男性と女性が一人ずついました。 私が中に入るとすぐに、女性が対応してくれました。 「電話した 中村です…」 緊張しながら言うと、「こちらへどうぞ」と、ついたてで仕切られたスペースへと通されました。 机と、椅子が2つ。 向かい合って座るようになっています。 ああ、今から私、弁護士に相談しちゃうんだ… 1週間前は考えてもみなかったことです。 人生わかりません。 ちなみに私は、この日10万円持ってきていました。 一主婦としては大金ともいえる金額です。 「弁護士への相談料は高い!30分一万円が目安!」 ─これは、テレビドラマなどで知っていた私の素人知識。 これが正しいかどうかは分からないけれど、十万あれば、ガッツリ相談できるだろう、と多目に持ってきました。 女性スタッフが去ってしばらくすると、男性が現れました。 「こんにちは、林です。」
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