2712人が本棚に入れています
本棚に追加
出産経験のある女性なら、共感して頂けるかもしれませんが、産後数ヵ月は、自分自身に構っている暇なんてありません。
少なくとも私はそうでした。
もちろん、産後すぐからペッタンコのお腹でお洒落な洋服を着こなす芸能人もいますが。
多分ほとんどの新米ママさんは、髪を振り乱して慣れない育児するのではないでしょうか。
私は、「完母で育てたい」という気持ちが強く、産後しばらくは、授乳のことで頭がいっぱいでした。
果てしない苦労の末に、やっと母乳育児が軌道に乗った頃には、チビは哺乳瓶を受け付けなくなっていました。
何度哺乳瓶をくわえさせてみても、舌で押し出してしまって、断固拒否です。
焦りました…
搾り貯めておいた冷凍母乳も、全部捨てるはめになったし、何より、チビを長時間誰かに預けることが不可能になりました。
これで、卒乳まで離れられない…と、ショックだった一方、私は嬉しくもありました。
「ママのおっぱいじゃないとやだよ」
ってこの子は言ってるんだと思ったからです。
そんなこんなで、私の頭の中は、おっぱいを始めとしたチビのことでいっぱい。
美容院に行くなんて当分先のことになるなと思っていたのです。
こんなことになるまでは。
でも、明日は…明後日までには、どうしても美容院に行き、自分を整えておきたいと思いました。
念入りに服を選んで、無理をして美容院に行こうとするのは、私の女としてのプライドだったのでしょうか…
電話を切り、授乳を終え、アパートを出た私は、車に乗り込むと、初めてナビの検索機能を使いました。
使い方に四苦八苦しながらも、
『電機店』
を 周辺検索し、何軒か出てきたうちの一軒、○○○電機に向かいました。
到着すると、店員に聞いて、会話を録音できる「ICレコーダー」なるものを購入しました。
今回のこと以外に使う予定なんてないので、一番安いものです。
選びながら、これを求める人って、私みたいなちょっと訳ありな人が多かったりするのかなと思いました。
これで、女が念書を書かなかった場合でも、口頭で認めれば、それを音声で残すことができます。
最初のコメントを投稿しよう!